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その名は●小百合 [the name]

いつでも夢を③1962.jpg

「さゆり」といえば、100人中100人が「吉永小百合」を思い浮かべるのでは。
いや、最近はアイドルや政治家にもさゆりさんがいるようなので、97人くらいかもしれない。いや、もっと少ないかな。
いずれにしても、過半数以上圧倒的に「吉永小百合」であることは間違いない。

ちなみに、「小百合」という名前は、吉永小百合がブロマイドの売り上げランキング1位になった昭和30年代後半あたりから、増えつづけていったといわれている。ほんとだろうか。そういえばわたしの子どもの頃、同級生に「さゆり」ちゃんはいなかったし、大きくなっても、同年代のさゆりちゃんに会ったことがないし、それまでの女優や歌手の「さゆり」さんも知らない。

その吉永小百合といえば、いま彼女主演の映画「不思議な岬の物語」が封切られている。
モントリオール映画祭で2部門で受賞したり、小百合さんの初プロデュース作品ということでも話題になっている。

わたしはサユリストではないけれど、すばらしい女優ですね。
「キューポラのある町」から、「青い山脈」、「愛と死をみつめて」、「男はつらいよ 柴又慕情」などなど銀幕の小百合さんを観てまいりました。
ただ、「愛と死……」以前の作品は、封切りで観たわけではなく、のちに名画座で。しょうがないよね、年齢不足だったのだから。

それでも、その「愛と死……」や渡哲也と共演した「愛と死の記録」や「白鳥」あたりまではいわゆる“青春もの”のイメージが強く、寅さん映画に出てきたときは、あまりにも「お姉さん」になっていていささか違和感を覚えた記憶が。

あの山田洋次特有の観ていて恥ずかしくなるような演出はちょっと気の毒だったけど。
それでもアンアン三人娘の陽気なシーンと、小説家の父親(宮口精二が柴錬みたいでよかった)との折り合いの悪さ、というコントラストがさすが山田洋次。
小百合さんは、そうした普通の女性を上手に演じていました。
「キューポラのある町」や「青い山脈」で見せた、潔癖で気の強い、生硬な少女は成長をとげ、すっかり大人になっていました。

そうした大人の小百合さんも魅力的だけれど、わたしにとっての吉永小百合は、やっぱりときには激しい感情をあらわにし、ときには鋭い眼光で不正を糾弾する、そんな少女なのです。

そんなわけで、彼女の主演・プロデュース映画が成功することを願いつつ、歌い手としても「レコード大賞受賞歌手」である彼女の、若かりし頃の歌を三曲。

●キューポラのある町

「キューポラのある町」童話作家・早船ちよの原作を映画化したもので、昭和37年の公開。浦山桐郎の初監督作品でもあった。
監督には主人公の少女・ジュンにこだわりがあり、吉永小百合のイメージではなかったとか。
また、彼女は撮影前に盲腸炎の手術をし、退院翌日にクランクインで、いきなり土手の上を走るシーンがあり、OKが出るまで何度も走ったというようなエピソードが浦山桐郎の評伝に書いてあったのを思い出しました。
そんなこともあって、会社の意向で仕方なく売出し中の人気女優を起用した浦山桐郎だったが、撮影がすすむうちに吉永・ジュンにのめりこんでいったようだ。それほど17歳の少女は女優として魅力的だったのだろう。

作品はこの年のキネ旬2位。ブルーリボンでは作品賞、新人監督賞とともに、彼女は17歳という若さで主演女優賞を受賞。大器の片鱗を印象付けた。

わたしが観たのは残念ながら昭和も40年代に入ってから。しかしこんな主題歌などスクリーンから聴こえてこなかったけど。
それもそのはず、じつはこのレコード「キューポラのある町」は映画「続・キューポラのある町」の主題歌なのである。
公開は第一作から3年後の昭和40年。

作詞作曲は「いつでも夢を」の佐伯孝夫・吉田正。ビクターの黄金コンビである。
歌詞の「あなたたち」が流行歌の詞としては新鮮で、なぜか耳に残ります。

●光る海

「キューポラのある町」の翌年、つまり昭和38年の主演映画の主題歌。
原作は戦前から、とりわけ昭和20年代、30年代の青春小説の神様・石坂洋次郎。
「乳母車」、「陽のあたる坂道」、から「若い川の流れ」、「あじさいの歌」、「あいつと私」、「青い山脈」など日活はたいへん世話になっている。

吉永小百合も「青い山脈」をはじめ、「寒い朝」、「草を刈る娘」、「赤い蕾と白い花」、「若い人」、「雨の中に消えて」、そして「光る海」と何本もの石坂映画で主演をつとめている。

ちなみに小百合さん、「キューポラのある町」から「光る海」までの1年間に15本の映画に出演している。すべて主演ではないけれど、これはスゴイ。また日活がいかに吉永小百合に期待していたかがわかる。
レコードは翌39年の1月にリリースされたもの。

やはり吉田―佐伯コンビで。
いかにも当時の青春歌謡といった感じ。小百合さんの若い声を聴いているだけでジンときます。この歌、ファンにはけっこう人気のようです。

●若い歌声

最後はデュエットで。
デュエットといえば橋幸夫。
いまさらですが、「いつでも夢を」のレコード大賞コンビ。

「いつでも夢を」はいい歌です。
佐伯孝夫の菩提寺には墓碑にその歌詞が刻まれているとか。
個人的には「再会」のほうが好きだけど、歌詞の中に『監獄の壁』が出てきちゃまずいものね、モニュメントとしては。

そんな「いつでも夢を」もいいけれど、吉永―橋のデュオではほかにもいい曲があります。
♪下町も山の手も…… の「若い東京の空の下」もいいけど今回は「若い歌声」を。

これは38年11月というから、光る海の前にリリースされた歌。
やはり吉田―佐伯コンビ。しょうがないよね、この時期のビクターの主戦コンビですから。

ただ、これは映画ではなく、TBSのテレビドラマ「いつでも歌を」の主題歌。
どことなく「いつでも夢を」に似ているのは、柳の下を狙った制作側の意向があったのでしょうか。
間奏に入るセリフもなつかしい。
当時はこういうパターンがけっこうありました。
橋幸夫のナレーションでは、思わず「えっ、子連れ狼?」なんて立ち上がったり、……ウソですけど。

小百合さん、若いころから歌もそこそこ上手ですよね。なによりも声がいいし。
だいたい、日活の女優陣というのは松原智恵子さんにしても、芦川いづみさんにしてもあまり上手じゃない。そんななかでは浅丘ルリ子さんと双璧でしょうね、レコード化に耐えうる“歌う女優”ということで。

そんな小百合さんですが、なんだか引退の声が漏れ聞こえております。ほんとかな。
でも来年大台の○歳でしょ。とてもそうは見えないけど。どうみても50代前半(いいすぎかな?)だものね。

それにしても、女優さんの身の引き際は難しい。原節子のように40代になったばかりで引退するスターもいるし。芦川いづみや叶順子(大映)などは30歳そこそこで銀幕から去ってしまったし、反対に岡田茉利子や若尾文子、有馬稲子らは○歳を超えてもなお、女優業現役に執着している。役者魂っていうのか女優魂っていうのか。

彼女たちの考え方、生き方それぞれということなのでしょうが、齢を重ねたなりの役があるのでしょうが、正直、小百合さんにはプロデューサー業に専念していただきたい、という勝手な思いがあります。


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